物理的領域の因果的閉包性

UN-GO 第6話 「暗号 - cipher -」



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サイファー 【cipher】

・ 暗号、暗号文、暗号を解くかぎ。
・ (数字の)零、0。
・ 価値のないもの[人]。
・ 自鳴[オルガンの故障のため鍵盤操作と関係なしに出てしまう音]。


【cipher】 は、アラビア語で 『零』 を意味する 【cifr】 という単語が語源。英語の 『ZERO』 も同じ語源だそうです。
新十郎が暗号を追い求めているにも関わらず、真実はすでに海勝麟六の手にあって無価値だったという意味では 『零』 だったと言えます。
海勝麟六が 『真実は常に一つだろうか...』 と言った理由。それは偽りの真実であっても信じていればそれがその人にとっての真実になる。
つまり偽りの真実という無価値なものこそが 「暗号」 というわけなんですね。事実暗号を解読し矢島に伝えてしまったことで妻を殺しかけた。
もし矢島が妻を殺してしまえば、真実を知らないまま犯罪者となって、情報提供者である新十郎にも責任が課せられてしまう。怖いですよね。

『自鳴』 とはそれ自身で音を出すこと。オルゴールの別名は自鳴琴というそうです。自分の意思とは無関係な結果を招く意味で自滅に近い。
真実を追い求める行為そのものが無意味だと思わせる話でしたが、堕ちることでしか存在意義を見い出せない新十郎にはツラい話ですね。
自身の行動原理という 「暗号」 をこれからどう読み解いていくのか?新十郎の生存戦略を援助する因果や風守に注目していきたいですね。

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