物理的領域の因果的閉包性

C3 -シーキューブ- 7話・8話の回想シーンについて



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EDクレジットを見るとワース回想(厳密には桜参白穂の回想)部分は、バカテス2期8話と今作2話のコンテ・演出を手掛けた坂本隆の担当らしい。
感じとしては 「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」 の1話と7話以外の冒頭部分に似ています。注目してほしいのは操り人形のような演出ですね。


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『からくり』 の語源は 「糸を引っ張って動かす」 意味の 『からくる』 が名詞化された説と、唐から伝わった仕掛けなので唐繰と呼んだ説があるそうです。
基本的には 「日本の伝統的な機械仕掛けの人形や模型、機械装置」 を指す言葉で、 「計略」 や 「たくらみ」 の意味もあり、人によって操作されること。
サヴェレンティと白穂の出会いからすでに糸があるということは、誰かが故意に操作してることを暗示しているし、操ってる黒幕も原作では描かれている。
ラスト2分ほどの回想シーンですが、多くの要素が詰め込まれていて秀逸ですね。全話終わったあとに観返してみるとかなり面白いんじゃないでしょうか。


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8話も同様に回想シーンで踊っている白穂に糸が張られていますが、これは 「演技をする = 自分らしさを失う = 人形」 という意味合いがあるんですね。
つまり 「何かを演じる」 という行為が 「人間性を損なっている」 ということになり、結果白穂が人間嫌いになって人を 「人間」 と呼ぶようになったんですね。
サヴェレンティと白穂が入れ替わるという 『からくり』 があった話でしたが、「たくらみ」 の意味での 『からくり』、演出面での 『からくり』 もあった回なんです。
サヴェレンティが呪いから解放されたことで、白穂の人間嫌いという呪縛も解放され、変わらない愛だけが残された。そしてフィアには愛が芽生えつつある。
青と赤で男と女を演出した部分も印象的でしたが、回想や線画で描かれていた部分など、見どころの多い話数だったように思えました。ええ仕事しますね。

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