物理的領域の因果的閉包性

花咲くいろは 第23話 「final call ミミヲフサグ 愛はまだ moratorium」



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モラトリアム 【moratorium】
● 支払猶予。法令により金銭債務の支払いを一定期間猶予させること。
● 製造・使用・実施などの一時停止。核実験や原子力発電所設置などにいう。
● 肉体的には成人しているが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間。また、そこにとどまっている心理状態。

映画監督、伊佐美轍夫を捕らえるまでの期間。喜翆荘をやめるまでの期間。孝ちゃんに再び会うまでの期間。
これらはすべて、事が終わり、変わるまでの 『猶予期間』。今回はそんな 『猶予期間』 の話だったんじゃないでしょうか。
緒花の成長過程を 『モラトリアム』 とするなら、喜翆荘の存在も、そこで働く人たちもみんなが 『モラトリアム』 を抱えている。

それはなぜ?先が見えていてもいなくても 「変わらず滞在し続ける事柄や心理」。そのすべてが 『猶予期間』 と言えるから。
思い出にしたくない喜翆荘の日々。忘れたくなかったコーヒーの味。想い続けたい片思いの人。途切れさせたくない板前修業。
つまり、「忘れたくない」 「変わってほしくない」 と願う気持ち。そういった矛盾だらけの感情こそが 『モラトリアム』 なんでしょうね。
緒花と喜翆荘の未来は?決断が下されるまでの 『猶予期間』 がすごくもどかしい。先を見たいけど終わってほしくない作品ですね。

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コメント

No title

「学生のモラトリアム、うらやましー」と思ってましたけど、「猶予期間」と日本語になると、執行猶予みたいなイメージでなんとも言えない心境に。

緒花とコウがどうなるか、一週間の猶予期間を与えられた視聴者。
キャラクターと同じ気持ちを感じることが出来る親切設計!w

かてぽん、コメント感謝です。

> 「学生のモラトリアム、うらやましー」と思ってましたけど、「猶予期間」と日本語になると、執行猶予みたいなイメージでなんとも言えない心境に。
そだねw
でも大人になることだけが正しいわけでもないし、モラトリアムという期間を充実させてないと良い大人にはなれない。
じゃあ「良い大人」って何?ってこと。明確な定義なんてないから、結局のところ大人から見た都合の良い解釈でしかないんだけどねw

> 緒花とコウがどうなるか、一週間の猶予期間を与えられた視聴者。
> キャラクターと同じ気持ちを感じることが出来る親切設計!w
画のクオリティとか物語の面白さとは別に、同じ気持ちを共有しながら観れるってことはいいことだよね。
それだけ魅力のある作品ってことだし、オリジナル作品の長所でもある。その魅力を上手く伝えたいんだけどなかなか難しいね。